▼ アルツハイマー病の画像診断
近年、アルツハイマー病の治療薬が登場し、アルツハイマー病の早期発見、早期診断が必要になっています。
早期発見、早期診断には、画像診断が有効的です。
解析手法の発達により従来の除外診断、鑑別診断としての検査から、発病前の診断を行う検査として画像診断は、その重要性を増してきています。
アルツハイマー病だけでなく、様々な検査に用いられる画像診断にCTとMRIがあります。
また、脳内の血流異常がわかる、脳血流シンチという画像診断も用いられます。
アルツハイマー病の画像診断に用いられるCTとMRI、脳血流シンチについて、これから説明していきたいと思います。
CT(コンピューター断層撮影)について説明します。
CTは、X線で撮影をし、コンピューターで処理することで身体の中の様子を映像化するものです。
体を輪切りにしたような写真を撮ることができますが、それだけでなく、コンピューター処理によって脳や骨、臓器などの立体的な映像を撮ることができるのです。
CTは、検出器自体が体の周りを回りながら、人体の輪切りの画像を撮影していきます。
脳の撮影をすることによって、頭の中の出血が確認できたり、認知症の発生原因が脳血管性認知症かアルツハイマー型認知症かどうか、脳腫瘍や脳内の怪我などで精神に変調をきたしているのかということの確認ができたりします。
続いて、MRI(磁気共鳴画像検査)について説明していきます。
MRIとは、強い磁石の力を借りて、生体を構成する原子のうち最も多く存在する水素原子から信号を取り出し、それを映像化する検査のことを言います。
MRIは、放射線被爆が全くないため安全に、脳の萎縮などアルツハイマー病に特有の所見の有無を調べることができます。
信号を取り出すときの条件を変え、造影剤を用い様々な性質の画像を得ることができます。
あらゆる角度での断層撮影ができるので、それらを組み合わせ、全身のどの部位でも詳しい撮影、診断が可能なのです。
最近では、難点だった撮影時間の長さも、短くなっています。
それは、機械の性能が格別に良くなったためです。
しかし、心臓ペースメーカーや人工内耳を装着している人などは、MRIは受けられないことがあります。
また、MRIは狭いトンネルのようなところに入り検査するので、閉所恐怖症の人には不向きな検査です。
脳血流シンチ(SPECT)は、脳梗塞、てんかん、脳腫瘍など様々な病気が原因で起こる脳内の血流異常がわかる検査で、回復の可能性のある軽度障害部位の発見などにも役立ちます。
この検査でまずすることは、薬剤を静脈注射することです。
それは、脳の血流を反映する微量の放射線を放出するためです。
血流によって脳内に集積した放射性医薬品を、ガンマカメラにより撮像します。
そして、コンピューター処理により脳血流の状態、分布を画像表示するのです。
その結果、痴呆の原因が脳血流の障害によるものなのか、アルツハイマー病なのかを血流異常のパターンから判断することができます。
最近では、健常者のデータとの対比により、異常をより際立たせる方法が開発されているので、さらに病変がとらえやすくなってきています。
脳血流シンチの利点は、構造の変化を見る検査のCTなどで異常が見つからないような早期の段階からでも異常を発見できることです。
脳血流シンチは、早期発見が重要なアルツハイマー病の早期診断に有効的なのです。
認知症、アルツハイマー病の初期症状が疑われる場合、CT検査で脳の萎縮等の異常がない場合であっても、脳血流シンチ等の検査でさらに詳しく調べることが望ましいですね。