▼ 認知症とアルツハイマー型認知症の診断
脳の知的な働きが様々な病気によって低下し、記憶や判断力に障害が起こり、日常生活に支障をきたす状態を、認知症と呼んでいます。
認知症は、物忘れとは違い、通常の老化よりも早いスピードで神経細胞が消失してしまい、体験の全てを忘れてしまうという症状が起こります。
認知症全体の8~9割を占めると考えられているのは、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症です。
脳血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血などの脳の血管に異常が起きたことによる認知症で、アルツハイマー型認知症とは、アルツハイマー病と一般的に呼ばれているものなのです。
認知症の一つで、何らかの原因で脳が萎縮し、知的低下や人格の破壊が起こるものです。
また、この他にも、脳の後ろの病気から起こるレビー小体型認知症、脳の前の部分の病気から起こる前頭側頭型認知症など、認知症には種類があります。
脳血管性認知症は、脳梗塞などの病気にかからないように、生活習慣などに気をつけていれば、防ぐことができます。
アルツハイマー型認知症は、物忘れなど初期症状で気づけば、アルツハイマー病の進行や認知症への移行を防ぐことができるのです。
認知症も、アルツハイマーのように初期症状で対処をすれば、悪化を防ぐことができるのです。
高齢化社会となっている日本には、認知症にかかっている人の数も年々増加していて、現在85歳以上の3~4人に一人は認知症にかかっていると言われています。
早期発見が重要である認知症とアルツハイマー病ですが、その診断、治療の場で現在
注目されているのが、軽度認知障害です。
軽度認知障害は、アルツハイマー病の前触れで、アルツハイマー病の早期診断と早期治療の両面から注目されています。
軽度認知障害の診断は、認知機能が正常域を超えているが、認知症ではないという判断で行います。
軽度認知障害というアルツハイマー病の前触れでもある初期段階で、アルツハイマー病と判明すれば、その後の治療に大きく効果が出ます。
脳血流シンチという精密診断機器で、軽度認知障害の人の脳の血流を測定する検査が、近年多く行われるようになってきました。
脳血流シンチでの検査とは、体内に微量の放射性同位元素を注射し、脳の血流の様子をシンチカメラという大きなカメラで撮影する検査のことです。
軽度認知障害の段階での薬の処方も一般的になっているのです。
問診や記憶テストなどで、軽度認知障害と認められ、脳血流シンチによって典型的なアルツハイマーの脳の血流低下が発見された場合、初期のアルツハイマー病と診断されます。
ドネペジルというアルツハイマー病の治療薬を早期から使用することがありますが、そうすることで、アルツハイマー病の抑制期間を長くすることができるかもしれないのです。
全国の病院で、アルツハイマー病などが原因の認知症を専門的に診察する物忘れ外来が開設されていますので、認知症やアルツハイマー病を疑う場合は、物忘れ外来などで早めに診察してもらうことが重要です。