認知症とアルツハイマー型認知症の診断

脳の知的な働きが様々な病気によって低下し、記憶や判断力に障害が起こり、日常生活に支障をきたす状態を、認知症と呼んでいます。
認知症は、物忘れとは違い、通常の老化よりも早いスピードで神経細胞が消失してしまい、体験の全てを忘れてしまうという症状が起こります。
認知症全体の8~9割を占めると考えられているのは、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症です。

脳血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血などの脳の血管に異常が起きたことによる認知症で、アルツハイマー型認知症とは、アルツハイマー病と一般的に呼ばれているものなのです。
認知症の一つで、何らかの原因で脳が萎縮し、知的低下や人格の破壊が起こるものです。

また、この他にも、脳の後ろの病気から起こるレビー小体型認知症、脳の前の部分の病気から起こる前頭側頭型認知症など、認知症には種類があります。

脳血管性認知症は、脳梗塞などの病気にかからないように、生活習慣などに気をつけていれば、防ぐことができます。
アルツハイマー型認知症は、物忘れなど初期症状で気づけば、アルツハイマー病の進行や認知症への移行を防ぐことができるのです。
認知症も、アルツハイマーのように初期症状で対処をすれば、悪化を防ぐことができるのです。

高齢化社会となっている日本には、認知症にかかっている人の数も年々増加していて、現在85歳以上の3~4人に一人は認知症にかかっていると言われています。

早期発見が重要である認知症とアルツハイマー病ですが、その診断、治療の場で現在
注目されているのが、軽度認知障害です。
軽度認知障害は、アルツハイマー病の前触れで、アルツハイマー病の早期診断と早期治療の両面から注目されています。

軽度認知障害の診断は、認知機能が正常域を超えているが、認知症ではないという判断で行います。
軽度認知障害というアルツハイマー病の前触れでもある初期段階で、アルツハイマー病と判明すれば、その後の治療に大きく効果が出ます。

脳血流シンチという精密診断機器で、軽度認知障害の人の脳の血流を測定する検査が、近年多く行われるようになってきました。
脳血流シンチでの検査とは、体内に微量の放射性同位元素を注射し、脳の血流の様子をシンチカメラという大きなカメラで撮影する検査のことです。

軽度認知障害の段階での薬の処方も一般的になっているのです。
問診や記憶テストなどで、軽度認知障害と認められ、脳血流シンチによって典型的なアルツハイマーの脳の血流低下が発見された場合、初期のアルツハイマー病と診断されます。
ドネペジルというアルツハイマー病の治療薬を早期から使用することがありますが、そうすることで、アルツハイマー病の抑制期間を長くすることができるかもしれないのです。

全国の病院で、アルツハイマー病などが原因の認知症を専門的に診察する物忘れ外来が開設されていますので、認知症やアルツハイマー病を疑う場合は、物忘れ外来などで早めに診察してもらうことが重要です。

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アルツハイマー病の画像診断

近年、アルツハイマー病の治療薬が登場し、アルツハイマー病の早期発見、早期診断が必要になっています。
早期発見、早期診断には、画像診断が有効的です。
解析手法の発達により従来の除外診断、鑑別診断としての検査から、発病前の診断を行う検査として画像診断は、その重要性を増してきています。
アルツハイマー病だけでなく、様々な検査に用いられる画像診断にCTとMRIがあります。
また、脳内の血流異常がわかる、脳血流シンチという画像診断も用いられます。
アルツハイマー病の画像診断に用いられるCTとMRI、脳血流シンチについて、これから説明していきたいと思います。

CT(コンピューター断層撮影)について説明します。
CTは、X線で撮影をし、コンピューターで処理することで身体の中の様子を映像化するものです。
体を輪切りにしたような写真を撮ることができますが、それだけでなく、コンピューター処理によって脳や骨、臓器などの立体的な映像を撮ることができるのです。
CTは、検出器自体が体の周りを回りながら、人体の輪切りの画像を撮影していきます。
脳の撮影をすることによって、頭の中の出血が確認できたり、認知症の発生原因が脳血管性認知症かアルツハイマー型認知症かどうか、脳腫瘍や脳内の怪我などで精神に変調をきたしているのかということの確認ができたりします。

続いて、MRI(磁気共鳴画像検査)について説明していきます。
MRIとは、強い磁石の力を借りて、生体を構成する原子のうち最も多く存在する水素原子から信号を取り出し、それを映像化する検査のことを言います。
MRIは、放射線被爆が全くないため安全に、脳の萎縮などアルツハイマー病に特有の所見の有無を調べることができます。
信号を取り出すときの条件を変え、造影剤を用い様々な性質の画像を得ることができます。
あらゆる角度での断層撮影ができるので、それらを組み合わせ、全身のどの部位でも詳しい撮影、診断が可能なのです。
最近では、難点だった撮影時間の長さも、短くなっています。
それは、機械の性能が格別に良くなったためです。
しかし、心臓ペースメーカーや人工内耳を装着している人などは、MRIは受けられないことがあります。
また、MRIは狭いトンネルのようなところに入り検査するので、閉所恐怖症の人には不向きな検査です。

脳血流シンチ(SPECT)は、脳梗塞、てんかん、脳腫瘍など様々な病気が原因で起こる脳内の血流異常がわかる検査で、回復の可能性のある軽度障害部位の発見などにも役立ちます。

この検査でまずすることは、薬剤を静脈注射することです。
それは、脳の血流を反映する微量の放射線を放出するためです。
血流によって脳内に集積した放射性医薬品を、ガンマカメラにより撮像します。
そして、コンピューター処理により脳血流の状態、分布を画像表示するのです。
その結果、痴呆の原因が脳血流の障害によるものなのか、アルツハイマー病なのかを血流異常のパターンから判断することができます。
最近では、健常者のデータとの対比により、異常をより際立たせる方法が開発されているので、さらに病変がとらえやすくなってきています。
脳血流シンチの利点は、構造の変化を見る検査のCTなどで異常が見つからないような早期の段階からでも異常を発見できることです。
脳血流シンチは、早期発見が重要なアルツハイマー病の早期診断に有効的なのです。
認知症、アルツハイマー病の初期症状が疑われる場合、CT検査で脳の萎縮等の異常がない場合であっても、脳血流シンチ等の検査でさらに詳しく調べることが望ましいですね。

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